導入事例「株式会社マトリックス」

世の中にないものをどうやって作るか?
それが全てでした。

  • 株式会社マトリックス
  • 技術部 山下課長、曽我部氏 営業企画部 岡島氏
株式会社マトリックス
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世の中にないものをどうやって作るか? それが全てでした。

Product / Service -
Circuit Designer PCB Designer

最後の1社になってもやり遂げる 次世代の社会インフラを目指す新進気鋭のベンチャー企業

ソフトウェア開発をしていたマトリックスが、自転車メーカーからの依頼で自転車レース計測用非接触ICタグの研究・開発のプロジェクトに数社合同で着手したのが1993年のこと。

それまでの自転車レースのタイム計測は、もちろん写真と目視。 自転車は通過速度も非常に速いため、正確なタイムを計測するのはとても難しく、開発を途中で断念する会社もあった。

そのような中、マトリックスは試行錯誤を繰り返しながらも、ようやく6年後の1999年に製品が完成、その2年後には、自転車で年間40レース、マラソンで年間120レースに使用されるようになった。今では、市民マラソンや自転車レースのゴール後にすぐにタイムが記載された記録紙を当たり前にように受け取ることができるようになったが、そのシステムはマトリックスが考案したものだ。

セミアクティブタグ開発のパイオニア

業界を切り開いてきたパイオニアだからこそ、現在も新しい市場を開発し続けている。マトリックスはそれまでは不可能と考えられていた自転車レースの自動計測を可能にした。現在、自転車・マラソン・駅伝・トライアスロン・モトクロスなどのスポーツレースの自動タイム計測という分野でトップシェアを誇る。

さらには、トリガーID方式(トリガー磁界に固有のエリアIDを付加し、受信場所を正確に判別)も開発。学校の登下校メール配信での利用や病院での赤ちゃん連れ去り検知、オフィスのハンズフリーでの入退室管理など、急速に利用の場を広げている。

Quadceptを選んだ理由

Windows XPの保守切れを契機に、最初は軽い気持ちで使い始めました。

山下課長:

それまで使っていた電子CADは、一言でいうと古くなっていました。何とか使い続けていたものの、Windows XPまでしか対応できず、Windows7では動作保障のないまま何とか使っているという状態でした。今回は、Windows XPそのもののサポートがなくなったので、いいタイミングだと思って新しいCADの導入を決意しました。

曽我部氏:

確かに同じCADを長年使っていると、乗せ替え時に手間が掛かるため、CADはそのままでいいという人もいます。しかし、Quadceptのデータベースは、部品の構築から設計の流れまでが分かりやすく、非常に良くできています。実は、前職は回路設計CADの開発をしていたのですが、そんな私から見てもとても良くできたCADだと思います(笑)現在は部品を充実させてライブラリを作り、設計チームのみんなが移行しやすい環境を整えているところです。

便利なもので世の中になかったものは、
一気に広まるという確信

マラソン大会や自転車レースに続き、登下校のメールシステムはすでに400校以上の小学校に導入されており、事実上のデファクトスタンダートになりつつある。そして、次にマトリックスが狙う市場は、学校のクラブ活動での利用である。陸上部などのすべての運動部でニーズがあり、校内のマラソン大会でも使える。これまでプロや実業団しか使えなかったシステムを、持ち運びができるリーダーへと改良し、アンテナの取り付けも簡単にできる仕様に変更することで、大きなレースだけでなく、一般の学校でのクラブ活動やマラソン大会などで手軽にタイムを計測できるようになる。「将来はクラウドでデータを取得して集計してグラフ化、統計データの加工も色々と対応することができれば、記録も見やすくなり、更に発展した面白い展開ができるのではないか」と営業企画部の岡島氏は、ビッグデータも利用したクラウド型の運用も視野にいれて考えているようだ。

自転車レース鈴鹿8耐もプロデュース

マトリックスは製品の開発だけでなく、自社でサイクリストの大会の企画・運営も行っている。自転車を愛する誰もが楽しめるサイクルイベント・スズカ8時間エンデューロは今年でもう15回目となり、今では、春・秋の年2回開催される日本最大規模のエンデューロイベントとなっている(2014年春は約8000人が参加)。本格化サイクリストからレースデビューを目指すビギナーに至るまで楽しむことができ、仮装で会場を盛り上げることに闘志を燃やす(?)ショーマンなど登場し、多士済済のサイクリストたちが楽しめるイベントになっている。もちろんマトリックスの社員もイベントスタッフとして大いにイベントを盛り上げている。

さらに、マトリックスがメインスポンサーを務める自転車ロードレース実業団チーム「チームマトリックス・パワータグ」を2006年結成。国内ロードレースはもちろん海外のレースやトラック競技にも積極的に参加し、幅広く活動している。社員メンバーは「自分たちは裏方ですよ」と謙遜をしているが、マトリックスは自転車レースで花開いたRFIDビジネスの輪を広げ、開発のきっかけとなった自転車市場にも恩返しをすることで業界のさらなる発展に貢献している。新たな市場をどんどん広げているマトリックスの取り組み、今後ますます目が離せなくなりそうだ。

会社概要

社名 株式会社マトリックス
代表者 辻 義光
所在地 〒530-0047 大阪市北区西天満3-13-20 ASビル6F
創業 / 設立 1980年9月 / 1985年5月
事業内容 セミアクティブRFIDシステムの開発・製造・販売
RFIDソリューションの企画・提案
レースタイム自動計測請負業務
自転車レースイベント企画・開催
Web http://www.matrix-inc.co.jp